キャサリン

漫画家・吉川景都のお仕事情報や、日常を綴った絵日記サイトです!

2022年12月

ききみみ




あけましておめでとうございます!
毎年いちおう年末にブログを書いていたのに
今年は気づいたら明けていた…
今年もよろしくお願いします。

2022年はメイク本を無事に出版できて
たくさんの方に手に取っていただき、
そのほか読切やPRもやらせていただいて、
こまったやつらは終わりましたが
まだ3巻の準備などもあるので!!
いろいろ描けて楽しい1年だったので、
今年もメイク本第二弾やら新連載やら
なんやらに向けて頑張っていきたいと
思っています~~!!

あと実は今年デビュー20周年なので、
そんなような本をちょこっと刷って
コミティアに出たい。





こまった最終回



本日12月28日発売号のYKアワーズで
「こまったやつら」が最終回を迎えました!
全然告知してなかったので、急な話ですまん。
始まったのが2021年春なので、1年半ほど
連載させていただき、年明け2月末に最終巻が
発売されて全3巻の漫画となりました。

もともとテーマがかなりニッチだったので
描かせていただけたこと自体を本当にありがたく
思っていて、また、アドバイザーとしてついて
くださった廣田先生にも大変感謝しています。

もうちょっと描けたなと思う部分もあるのですが、
ちょうど桑子が1年生を終えて2年になったところまで
描けたのできりはよかったかなと思っています。

終わらせると決まったのが秋ごろで、
そこから3話しかなかったのですが、
変な話ですがこういう風になると漫画のキャラクターが
全員ちゃんと終わる方向に動くので、
面白いな、と思いながら描いていました。

民俗学を学びながら、本を読みながらの連載で、
また時代もちょっと前なのでいろいろと苦労も
ありましたが、好きな題材と絵作りでチャレンジできて
本当に楽しかったです。
応援してくださった皆様、ありがとうございました!

3巻はオマケで結城先生の猫の話を描く予定です。
(2巻に実はちょっと出てきてるので探してみてください)

そして年明けには久々に読切と、
新連載の準備もいろいろやっているので
またお知らせしまーす!









ちょっと前ですが、
チケットにご縁をいただいて
宝塚の「蒼穹の昴」を観劇してきました。

蒼穹の昴の原作は
浅田次郎の超名作小説なのですが、
個人的にも初読から20年、
続編も含め折に触れ読み返してきた
ものすごく思い入れのある作品なのです!

NHKで映像化もされてるのですが
私は原作が本当に好きで、
しかし作品内で流れる時間が大変長く、壮大で、
場所も農村から紫禁城まであらゆるところが
出て来るので、ドラマはともかく
これをどうやって舞台化するんだろうと
ドキドキしていました。

見てみたら
まあ、もう、本当に素晴らしかったです…。
原作が長いので全体にダイジェストみたいな感じはあったが
(ツイッターで「忙しい人のための蒼穹の昴」って
言ってる人がいてうまいこと言うなと思った)
春児と文秀が貧しい村から成り上がり、
さまざまな人の思惑が絡み合いながら
時代が進んでいくさまが、
丁寧に説明しつつもうまく端折ってあって
最後まで大変引きこまれました。

宝塚自体はご縁のあった公演を
いくつか観劇したことがあるぐらいなのですが、
今回はベテランの方も多く、
重厚で見ごたえもありとてもよかった。



そして、
そういった本編にプラスして
今回個人的にすごくよかったと思ったのが
最後のショーの部分でした。

蒼穹の昴って文秀は革命の中途で亡命するし、
仲間は死んでしまうし、春児は心を尽くして仕えた
主君と国家が目の前でなくなっていくのを
見届ける役割を担っており、
続編でも時々出て来るけど
この主人公2人は全然平坦でもなければ
辛いことも多い人生を送るわけです。
小説はその中から希望も未来も見えてくるんだけど
それは俯瞰の視点での話なので、
いつだって小説の中の2人は運命に翻弄されたり
抗ったりしていて、
そして読者はそこに気持ちを寄せながら
手に汗握ったり涙したりしながら
刊行からこれまでの時間を過ごしてきたんですよね。

そこに!!
これだよ!!!
宝塚のショー!!!!

洋装っぽいお姿もありましたが
最後にかなり本編に寄せつつ豪勢に盛ったお衣装で
文秀と春児が、光り輝く大階段を降りてくる……
(袁世凱とか西大后も降りてくる)

いったい、この2人の人生のどこにもなかったであろう
こんな眩しいほど明るく輝かしい瞬間が
20年も経ってから目の前に広がるとは
誰が想像したでしょうか……
本当~~~~に胸がいっぱいになった………
本当に美しかった………

厳密にいえばお芝居の続きではなくて
内容に沿った宝塚のショーなのだと思いますが、
それでも役者さん自身に登場人物が透けて見えて
自分的には感情移入するのにじゅうぶんな
流れであった。

そんなわけでしみじみと、
よかったなあよかったなあ、という気持ちになり、
この小説を好きでいたこれまでの時間に、
今になってこういう場面が足されるのかと
本当にありがたく思いました。

こればっかりは単に舞台化したり
緻密に再現したドラマだけでは補完しきれないというか、
完全に空想の世界だし、
宝塚でなければ表現しきれない夢の国なので、
つくづく宝塚での舞台化に意味があったというか、
なんか救われた気持ちにすらなったのでした。

ありがとう宝塚、
ありがとう蒼穹の昴。

また久々に読み返し、
できればもう1回くらい見に行きたいです。







追伸
チケットを手配してくださったMさん、Mさんの旦那さん
本当にありがとう








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