こまったやつらの最終回
本日12月28日発売号のYKアワーズで
「こまったやつら」が最終回を迎えました!
全然告知してなかったので、急な話ですまん。
始まったのが2021年春なので、1年半ほど
連載させていただき、年明け2月末に最終巻が
発売されて全3巻の漫画となりました。
もともとテーマがかなりニッチだったので
描かせていただけたこと自体を本当にありがたく
思っていて、また、アドバイザーとしてついて
くださった廣田先生にも大変感謝しています。
もうちょっと描けたなと思う部分もあるのですが、
ちょうど桑子が1年生を終えて2年になったところまで
描けたのできりはよかったかなと思っています。
終わらせると決まったのが秋ごろで、
そこから3話しかなかったのですが、
変な話ですがこういう風になると漫画のキャラクターが
全員ちゃんと終わる方向に動くので、
面白いな、と思いながら描いていました。
民俗学を学びながら、本を読みながらの連載で、
また時代もちょっと前なのでいろいろと苦労も
ありましたが、好きな題材と絵作りでチャレンジできて
本当に楽しかったです。
応援してくださった皆様、ありがとうございました!
3巻はオマケで結城先生の猫の話を描く予定です。
(2巻に実はちょっと出てきてるので探してみてください)
そして年明けには久々に読切と、
新連載の準備もいろいろやっているので
またお知らせしまーす!
蒼穹の昴と宝塚
ちょっと前ですが、
チケットにご縁をいただいて
宝塚の「蒼穹の昴」を観劇してきました。
蒼穹の昴の原作は
浅田次郎の超名作小説なのですが、
個人的にも初読から20年、
続編も含め折に触れ読み返してきた
ものすごく思い入れのある作品なのです!
NHKで映像化もされてるのですが
私は原作が本当に好きで、
しかし作品内で流れる時間が大変長く、壮大で、
場所も農村から紫禁城まであらゆるところが
出て来るので、ドラマはともかく
これをどうやって舞台化するんだろうと
ドキドキしていました。
見てみたら
まあ、もう、本当に素晴らしかったです…。
原作が長いので全体にダイジェストみたいな感じはあったが
(ツイッターで「忙しい人のための蒼穹の昴」って
言ってる人がいてうまいこと言うなと思った)
春児と文秀が貧しい村から成り上がり、
さまざまな人の思惑が絡み合いながら
時代が進んでいくさまが、
丁寧に説明しつつもうまく端折ってあって
最後まで大変引きこまれました。
宝塚自体はご縁のあった公演を
いくつか観劇したことがあるぐらいなのですが、
今回はベテランの方も多く、
重厚で見ごたえもありとてもよかった。
そして、
そういった本編にプラスして
今回個人的にすごくよかったと思ったのが
最後のショーの部分でした。
蒼穹の昴って文秀は革命の中途で亡命するし、
仲間は死んでしまうし、春児は心を尽くして仕えた
主君と国家が目の前でなくなっていくのを
見届ける役割を担っており、
続編でも時々出て来るけど
この主人公2人は全然平坦でもなければ
辛いことも多い人生を送るわけです。
小説はその中から希望も未来も見えてくるんだけど
それは俯瞰の視点での話なので、
いつだって小説の中の2人は運命に翻弄されたり
抗ったりしていて、
そして読者はそこに気持ちを寄せながら
手に汗握ったり涙したりしながら
刊行からこれまでの時間を過ごしてきたんですよね。
そこに!!
これだよ!!!
宝塚のショー!!!!
洋装っぽいお姿もありましたが
最後にかなり本編に寄せつつ豪勢に盛ったお衣装で
文秀と春児が、光り輝く大階段を降りてくる……
(袁世凱とか西大后も降りてくる)
いったい、この2人の人生のどこにもなかったであろう
こんな眩しいほど明るく輝かしい瞬間が
20年も経ってから目の前に広がるとは
誰が想像したでしょうか……
本当~~~~に胸がいっぱいになった………
本当に美しかった………
厳密にいえばお芝居の続きではなくて
内容に沿った宝塚のショーなのだと思いますが、
それでも役者さん自身に登場人物が透けて見えて
自分的には感情移入するのにじゅうぶんな
流れであった。
そんなわけでしみじみと、
よかったなあよかったなあ、という気持ちになり、
この小説を好きでいたこれまでの時間に、
今になってこういう場面が足されるのかと
本当にありがたく思いました。
こればっかりは単に舞台化したり
緻密に再現したドラマだけでは補完しきれないというか、
完全に空想の世界だし、
宝塚でなければ表現しきれない夢の国なので、
つくづく宝塚での舞台化に意味があったというか、
なんか救われた気持ちにすらなったのでした。
ありがとう宝塚、
ありがとう蒼穹の昴。
また久々に読み返し、
できればもう1回くらい見に行きたいです。
追伸
チケットを手配してくださったMさん、Mさんの旦那さん
本当にありがとう
チケットにご縁をいただいて
宝塚の「蒼穹の昴」を観劇してきました。
蒼穹の昴の原作は
浅田次郎の超名作小説なのですが、
個人的にも初読から20年、
続編も含め折に触れ読み返してきた
ものすごく思い入れのある作品なのです!
NHKで映像化もされてるのですが
私は原作が本当に好きで、
しかし作品内で流れる時間が大変長く、壮大で、
場所も農村から紫禁城まであらゆるところが
出て来るので、ドラマはともかく
これをどうやって舞台化するんだろうと
ドキドキしていました。
見てみたら
まあ、もう、本当に素晴らしかったです…。
原作が長いので全体にダイジェストみたいな感じはあったが
(ツイッターで「忙しい人のための蒼穹の昴」って
言ってる人がいてうまいこと言うなと思った)
春児と文秀が貧しい村から成り上がり、
さまざまな人の思惑が絡み合いながら
時代が進んでいくさまが、
丁寧に説明しつつもうまく端折ってあって
最後まで大変引きこまれました。
宝塚自体はご縁のあった公演を
いくつか観劇したことがあるぐらいなのですが、
今回はベテランの方も多く、
重厚で見ごたえもありとてもよかった。
そして、
そういった本編にプラスして
今回個人的にすごくよかったと思ったのが
最後のショーの部分でした。
蒼穹の昴って文秀は革命の中途で亡命するし、
仲間は死んでしまうし、春児は心を尽くして仕えた
主君と国家が目の前でなくなっていくのを
見届ける役割を担っており、
続編でも時々出て来るけど
この主人公2人は全然平坦でもなければ
辛いことも多い人生を送るわけです。
小説はその中から希望も未来も見えてくるんだけど
それは俯瞰の視点での話なので、
いつだって小説の中の2人は運命に翻弄されたり
抗ったりしていて、
そして読者はそこに気持ちを寄せながら
手に汗握ったり涙したりしながら
刊行からこれまでの時間を過ごしてきたんですよね。
そこに!!
これだよ!!!
宝塚のショー!!!!
洋装っぽいお姿もありましたが
最後にかなり本編に寄せつつ豪勢に盛ったお衣装で
文秀と春児が、光り輝く大階段を降りてくる……
(袁世凱とか西大后も降りてくる)
いったい、この2人の人生のどこにもなかったであろう
こんな眩しいほど明るく輝かしい瞬間が
20年も経ってから目の前に広がるとは
誰が想像したでしょうか……
本当~~~~に胸がいっぱいになった………
本当に美しかった………
厳密にいえばお芝居の続きではなくて
内容に沿った宝塚のショーなのだと思いますが、
それでも役者さん自身に登場人物が透けて見えて
自分的には感情移入するのにじゅうぶんな
流れであった。
そんなわけでしみじみと、
よかったなあよかったなあ、という気持ちになり、
この小説を好きでいたこれまでの時間に、
今になってこういう場面が足されるのかと
本当にありがたく思いました。
こればっかりは単に舞台化したり
緻密に再現したドラマだけでは補完しきれないというか、
完全に空想の世界だし、
宝塚でなければ表現しきれない夢の国なので、
つくづく宝塚での舞台化に意味があったというか、
なんか救われた気持ちにすらなったのでした。
ありがとう宝塚、
ありがとう蒼穹の昴。
また久々に読み返し、
できればもう1回くらい見に行きたいです。
追伸
チケットを手配してくださったMさん、Mさんの旦那さん
本当にありがとう
初夏から最近の話
前回のブログから4か月経ってしまいました!
(このブログいつもこんな書き出しだな)
こないだ1巻が出たと思っていた「こまったやつら」ですが
夏に無事に2巻が出まして、まずはよかった!
色がきれいなブルーでうれしい。
あと6月にブックライブさんから出ている「キミトワ」という
ブロマンス(友達以上恋人未満みたいなやつ)のWeb雑誌に
読切前編が載りまして、好きな作家さんばかりの雑誌なので
大変緊張しました…。
+++
しかし大変個人的な話ですが
なんか初夏あたりからものすごくペースを崩していて、
毎月アワーズを読んでくださってる方はお気づきかと思いますが
1回ローテの休載があったあと再開したかと思ったらまた休んでて、
キミトワのほうも前編載った翌月に後編が載らず、
あちこちに謝ったり調整してもらったりして
えらい迷惑をかけていました。
※キミトワのほうは9月発売号に中編として14ページ載ったあと
10月発売号に後編が載って、まとまったものがまた別に配信
される予定なので、またあらためてお知らせします
ペースを崩したというのは体調的な面というよりも
どちらかというとメンタルが死んだみたいなとこがあって、
ここで一歩踏ん張らないといけないというような時に
謎の無力感や、「頑張れない」という感じに力が抜けてしまい
描いても描いても一生懸命になれない、
原稿に向かっても涙が出て止まらない、と
完全に弱りきってて、だいぶ参りました。
それでも人に会えば楽しいし、
まあまあ元気に過ごしていたとは思うのですが
肝心かなめの漫画がそんな状況で、
もとに戻すのに大変苦労したのだった。
理由はハッキリしませんが、
なんやかやでお受けした仕事が多かったんで
わかりやすくオーバーワークだったのではと
今は思うものの、
調子のいい時ならどうっちゅうことない量でも
あったので、まあ変な風にハマりこんだ感じですが、
なんにしても生活の余白って大事だなと
つくづく思いました…。
頑張るにしても、なにか趣味に手をつけるにしても、
次から次に詰め込まず、
「明日なんも予定ないなあ」みたいな日が
月に一度くらいいつもあるといいのかもと思っています。
なかなか難しい。
ツイッターもあんまり書き込めてなかったのですが
また日常漫画とかも上げたいな!
夏も終わるし、
みなさまもくれぐれも体調お気をつけくださいね。
ではではまた。
こまったやつらとメイク本
2022年もすでに4か月が過ぎようとしていますが
みなさまお元気でしょうか……
私は「えっ4月もそろそろ下旬?」という感じの、
宇宙猫みたいな顔をしています。
さてさて、あっというまの4か月でしたが
1月に「こまったやつら」1巻と、
4月に「メイクがなんとなく変なので
友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」
という書籍が出ました!わ~い
「こまったやつら」は中身の民俗学のこととか
ブログでも書いたことがあるのですが、
コミックスのことで言うと
今回装丁がボラーレの関さんという方で、
めちゃくちゃかわいいし80年代っぽい雰囲気の
カバーになってすごく気に入っています。
1巻は桑子が民研に入ってあれやこれやでしたが、
2巻はフィールドワークとか大学の公開講座とかも
出てきてまた賑やかなので、楽しみにしてもらえたら
うれしいです!
メイク本のほうはツイッターにも漫画アップしたんですが
書籍化が決まってから1年半くらいず~~っと描いてて、
大変お待たせしまして、やっと出てホントによかった……。
私じつは描きおろしの書籍というのが初めてで、
もうね…ほんとに……ほんとに大変でしたね………。
「こまったやつら」みたいな漫画連載をコミックスにするのは、
ひとつひとつその都度焼きあがってるパンケーキを積んで
最後にパッケージして出す、みたいな感じなのですが、
書籍は作り方をたとえるなら桶です!
全然別のパーツを、しかもそれだけでは何の役にも立たないものを
いくつもいくつも作って、それをユルユルの状態のまま
場所を移動させたり組みなおしたり形を整えたりしながら、
じわじわ箍で締めていく……みたいな作業工程になってまして、
しかも今回は「基本の記事を書くパンダさん」「それを
調整するTさん」「聞いた話を漫画にする私」と3人いて、
作業を進めながらも「最終的にどういう本になるのか」
というのがマジでギリギリまで見えてこなくて、
しかも描いても描いてもまだ描く場所が残っている…。
こんなに大変なのか桶を作るのは…。
という感じでだいぶ今年序盤はへとへとでしたが、
「こまったやつら」も無事に世に出て、
相変わらず勉強しながらハードルを飛びながらという感じですが
どうにか頑張っています…!!
メイク本も出来てみたらちゃんと出来てたのでよかった…。
すごくポジティブな反応をたくさんいただけて、
3人でとても喜んでおります。
あと個人的なことですが、
「こまったやつら」がちょうど著書としては40冊目になって、
「モズ」や「鬼を飼う」あたりから自分的に続いている
民俗学ネタがキリのいいところでまた形になって
嬉しく思っています。
メイク本はメイクのこともそうなんだけど、
パンダさんとは小学校からシルバニアで遊び市民プールで遊び
双方の家に泊まりに行きまくり、中学になったら
二人とも深刻なオタクになってしまって
コミケに行きコスプレもやり……と、
お互いの良いところも、
やらかしも大体知っているガチの幼馴染なので、
今こうやって一緒に本出してるのが本当に不思議で……。
パンダさんは昔から頭の回転が速いし、
性格が男前で面倒見もいいので
人になにか教えるとかアドバイスするというのを
すごくロジカルにやってて、
そういうとこが今回漫画でも描けていたらいいなと
思っています。
とりとめなく書きましたが、
今年はそのほかあれだ!6月ごろに読切をまたやらせていただくのと、
1年以上打ち合わせと修正だけが続いているやつを世に出したい…。
いろいろ決まったらまたお知らせします。
頑張ります!
みなさまお元気でしょうか……
私は「えっ4月もそろそろ下旬?」という感じの、
宇宙猫みたいな顔をしています。
さてさて、あっというまの4か月でしたが
1月に「こまったやつら」1巻と、
4月に「メイクがなんとなく変なので
友達の美容部員にコツを全部聞いてみた」
という書籍が出ました!わ~い
「こまったやつら」は中身の民俗学のこととか
ブログでも書いたことがあるのですが、
コミックスのことで言うと
今回装丁がボラーレの関さんという方で、
めちゃくちゃかわいいし80年代っぽい雰囲気の
カバーになってすごく気に入っています。
1巻は桑子が民研に入ってあれやこれやでしたが、
2巻はフィールドワークとか大学の公開講座とかも
出てきてまた賑やかなので、楽しみにしてもらえたら
うれしいです!
メイク本のほうはツイッターにも漫画アップしたんですが
書籍化が決まってから1年半くらいず~~っと描いてて、
大変お待たせしまして、やっと出てホントによかった……。
私じつは描きおろしの書籍というのが初めてで、
もうね…ほんとに……ほんとに大変でしたね………。
「こまったやつら」みたいな漫画連載をコミックスにするのは、
ひとつひとつその都度焼きあがってるパンケーキを積んで
最後にパッケージして出す、みたいな感じなのですが、
書籍は作り方をたとえるなら桶です!
全然別のパーツを、しかもそれだけでは何の役にも立たないものを
いくつもいくつも作って、それをユルユルの状態のまま
場所を移動させたり組みなおしたり形を整えたりしながら、
じわじわ箍で締めていく……みたいな作業工程になってまして、
しかも今回は「基本の記事を書くパンダさん」「それを
調整するTさん」「聞いた話を漫画にする私」と3人いて、
作業を進めながらも「最終的にどういう本になるのか」
というのがマジでギリギリまで見えてこなくて、
しかも描いても描いてもまだ描く場所が残っている…。
こんなに大変なのか桶を作るのは…。
という感じでだいぶ今年序盤はへとへとでしたが、
「こまったやつら」も無事に世に出て、
相変わらず勉強しながらハードルを飛びながらという感じですが
どうにか頑張っています…!!
メイク本も出来てみたらちゃんと出来てたのでよかった…。
すごくポジティブな反応をたくさんいただけて、
3人でとても喜んでおります。
あと個人的なことですが、
「こまったやつら」がちょうど著書としては40冊目になって、
「モズ」や「鬼を飼う」あたりから自分的に続いている
民俗学ネタがキリのいいところでまた形になって
嬉しく思っています。
メイク本はメイクのこともそうなんだけど、
パンダさんとは小学校からシルバニアで遊び市民プールで遊び
双方の家に泊まりに行きまくり、中学になったら
二人とも深刻なオタクになってしまって
コミケに行きコスプレもやり……と、
お互いの良いところも、
やらかしも大体知っているガチの幼馴染なので、
今こうやって一緒に本出してるのが本当に不思議で……。
パンダさんは昔から頭の回転が速いし、
性格が男前で面倒見もいいので
人になにか教えるとかアドバイスするというのを
すごくロジカルにやってて、
そういうとこが今回漫画でも描けていたらいいなと
思っています。
とりとめなく書きましたが、
今年はそのほかあれだ!6月ごろに読切をまたやらせていただくのと、
1年以上打ち合わせと修正だけが続いているやつを世に出したい…。
いろいろ決まったらまたお知らせします。
頑張ります!